住宅 北海道・東北

平成26年度 木造住宅等地域材利用拡大事業

福島県木材協同組合連合会

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実施概要

1,県内森林等の実態把握と課題の抽出
東日本大震災により大きな影響を受けた本県の森林・林業・木材産業の実態を把握し、今後の方策について検討した。
(1)森林・放射線量マップの作成
  原子力規制庁が実施している空間放射線量調査結果から県内森林の放射能汚染状況を把握し、汚染地図を作成した。
  • 図-1 県内民有林の放射線量マップ

(2)素材生産業の実態把握
   アンケートにより、素材の生産から販売までの実態について調査した。
(3)製材加工業の実態把握
   統計資料や聞き取り調査により、素材の入手量や製材品の販売量を把握した。

2,県産材を活用した木製品の開発・利活用
(1)木質内・外装材                   
   ①県内製造工場と製品生産の実態把握
    県内における主な製造工場等6企業による意見交換等により実態把握に努めた。
   ②県産木質内・外装材を活用した展示ルームの改修整備
    会津若松市内のオフィスビルの一室を展示ルームとして改修整備を行いPRに努めている。
  • 写真1 展示ルームの内装(床・壁材)展示ルームの内装(床・壁材)
  • 展示ルームの内装(窓枠等)展示ルームの内装(窓枠等)
(2)遊具等木工品
   児童・生徒用遊具を開発し、幼稚園等へ貸出・使用。
  • 遊具(平均台)
  • 遊具(コロQ)
  • 貸出遊具の活用状況
 
3,県産材を活用した街づくりの提案             
郡山市安積永盛駅前の遊休資産を対象に、地域材を活用した街づくりの基本計画及び実施計画を策定。
  • 街づくりの提案模型
  • 街づくりの提案模型
 
4,展示施設の整備
(1)CLT部材を活用したバス待合室の提案        
福島市内にモデルとなるバス待合室を設計し、CLT等部材の加工を行った。
(2)展示モデル住宅のリニューアル
「顔の見える木材での家づくりグループ」により県内各地に建設された展示モデル住宅の外壁や外構施設をリニューアルし、展示効果を高める。
①ふくしまの家「きなり」(福島市吉倉)
  • リニューアル工事実施中(福島市)
②ふくしまの家「KUMIKO」(須賀川市雨田)
  • リニューアル工事実施中(須賀川市)
 
 
5,県産木材の展示・PR
(1)展示会・イベント等への出展
県内・外のイベント等へ出展し、県産木材のPRを行った。
①住まいの耐震博覧会
イベントへの出展(仙台市)
・開催月日 平成27年7月11日~12日
・開催場所 夢メッセみやぎ(仙台市)

②ふくしま住まいと暮らしフェア
イベントへの出展(仙台市)
・開催月日 平成27年8月8日~9日
・開催場所 ビッグパレットふくしま(郡山市)

(2)インターネットを活用した木製品カタログ等の作成
県内木材加工業者34社のホームページを作成し、インターネット上で企業及び主力製品の紹介を行っている。
http://www.fmokuren.net/

 

得られた効果

1,県内森林等の実態把握と課題の抽出
福島県産材を安心して利活用する上で安全に伐採できる森林を把握することができた。また今後の木材の需要拡大に向け、素材生産業者及び製材業者の意向等を知ることにより、業者間の連携を図る一助とすることができた。
 
2,県産材を活用した木製品の開発と展示施設の整備
今後の県産材需要が見込める木質内装材やCLTの展示施設及び展示モデル住宅を整備することにより関係者への普及PRに活用することができる。
 
3,県産材を活用した街づくりの提案
今回策定した実施計画に基づき今後具体的な整備が始まり、計画の中核施設となる専門学校が平成28年度にCLTを活用した木造施設として建設されることが決定した。
 
4,県産木材の展示・PR
インターネットを活用し、県内製材工場の情報を発信することにより、各種木製品をどこで入手できるのかとのユーザーの声に応えることができるようになった。さらに、県内外イベント等へ県産材を出展し、その良さと安全性をPRすることができた。
 

今後の課題

依然として厳しい状況に置かれている県内林業・木材産業の再生・活性化を図るにはCLT等新たな素材を含め復興住宅や公共施設等への積極的な県産材の活用を行政と連携し進めていく必要がある。
県外への販路拡大には、安全性に配慮した素材・製材品の出荷が求められることから放射能に対する検査体制の構築については継続して実施していくこととなる。