平成26年度 木造住宅等地域材利用拡大事業
一般社団法人千葉県木材振興協会
実施団体名
一般社団法人千葉県木材振興協会と連携協定を締結した木造住宅等に関わる団体
実施概要
本事業の実施体制は、一般社団法人千葉県木材振興協会が本事業の事務局となり、本事業に参画及び協力する千葉県木造住宅生産体制強化推進協議会等の県内の木造住宅や木材関係の団体である10団体と連携協定を締結して、各団体等が連携して特色ある木造住宅等における地域材利用拡大のための各種事業合計8事業、13種目の事業を展開して、木材需要の拡大を総合的に推進した。以下8事業の概要と次表のとおりである。
事業名 | 事業実施内容 | 中心団体 |
---|---|---|
1 サンブスギ住宅耐力壁の開発等 | 伝統的な軸組工法の継承のため、耐力壁を千葉県の銘柄材である「サンブスギ」の端材等を利用して開発に取り組んだ。 | ・さんむフォレスト ・LLP「木と土の家」 |
2 地域材を活用したモデルルーム等の整備と普及啓発 | 今後、増加が見込まれる住宅のリフォーム等を見据えて、地域材の良さをアピールできる内外装等のモデルルームを県内3か所に設置した。アウトドア派等でブームとなっている小屋のセルフビルドキットのモデル小屋をワークショップ形式で建設・展示した。 | ・さんむフォレスト ・LLP「木と土の家」 ・木と住いの情報館 ・木材市場㈿ ・NPOちば山 ・ちばの木活用研究会等 |
3 体験・見学ツアーの実施 | 森林・林業や木材加工、優良木造住宅の体験・見学ツアーを中心となった2団体で合計4回開催した。 | ・木と住いの情報館 ・ちば木造建築ネットワーク |
4 ちばの木の家づくり推奨店HPの開設 | 「ちばの木の家づくり推奨店」及び地域材を主体として建築をしている工務店等の地域材や住宅に係る情報を発信するため、専用のホームページを開設した。 | ・ちばの木認証センター ・千葉県木材振興協会 |
5 シンポジウムの開催 | 木造住宅の普及を拡大するため、感覚ではわかっている木造住宅の良さを、科学的に研究して木造住宅の快適性等を証明した結果等についてを基調講演としてシンポジウムを開催した。150人参加 | ・千葉県木造住宅生産体制強化推進協議会 |
6 木育の推進 | 都市部の一般ユーザーの親子を対象に、木の温もりを体験し、木と触れ合いながら、木造住宅や森林・木材の知識を高めるための木工教室等のイベントを開催した。 2回実施 | ・住まいるCHANCEネットワーク ・ちば木造建築ネットワーク |
7 優良木造住宅の事例集の作成 | 地域材を主体に建築された木造住宅の優良新築事例や戸建てリフォーム・マンションリフォーム等の優良木造事例集を作成した。関係者に配布するとともに、事例集を電子化して関係するホームページにおいて、その情報を公開した。 事例集の内容:A4版 カラー7印刷 合計77ページ 掲載物件36物件(27社)印刷部数 3,500部 |
・千葉県木造住宅生産体制強化推進協議会 ・ちばの木認証センター |
8 応急木造仮設住宅の製作と展示 | 千葉県と全木協は、平成26年4月に災害協定を締結し、災害時には、地域材を活用した地元工務店による応急仮設住宅を建築することとなり、千葉県佐倉市で開催された「9都県市合同防災訓練」の会場に展示した。また、合同訓練の前には、関係する工務店等を参集して、災害時に迅速かつ安全に建築できる技術を取得してもらった。 | ・全国木造建設事業協会千葉県協会 ・千葉県木造住宅生産体制強化推進協議会 |
得られる効果
上記の個別事業を実施したことにより、各団体の活動を充実することができ、また、今後の各団体の活動を拡大する足掛かりとなった。
更に、木材生産者、製材業者、木材流通業者、地域に活動拠点を持つ大工・工務店、建築設計関係者等との連携が更に進み、地域材・合法木材等が理解され、県民ユーザーへの地域材・合法木材等の利用拡大が期待される。
加えて、今回の事業によりモデルルームや住宅構造材キット、事例集やHP開設等のハードなアイテムを取得することができ、今後の普及・啓発の足掛かりができた。
今後の課題
本助成事業により、多種・多様な地域材の利用拡大の事業に取り組むことができたが、本事業を一過性に終わらせることなく、実施した事業を足掛かりに、更に、積極的に広く事業展開を図る必要がある。
今後は、更に普及・啓発に力を注ぎ、モデルルーム等を会場にセミナーや研修会及び見学会等を行い、また、優良木造住宅事例集なども活用して、木造住宅の建設に際して、地域材の活用と地元工務店等の活用を積極的に展開していく必要がある。
県においては、来年度事業において、地域材利用の木造住宅の新築やリフォームに対しての補助金制度を検討しているところであり、本助成金事業で実施した成果及びこれからの積極的な展開により、木造住宅等における地域材の利用拡大に取り組むこととしたい。
記録写真
1 千葉県銘柄材「サンブスギ」を活用した住宅耐力壁の開発と認定取得
- 耐力壁仮組み立て
- パネル完成写真
2 地域材を活用したモデルルーム等の整備と普及・啓発事業
- モデルルーム① 山武市
- モデルルーム② 東金市「モクイチ」
- モデル小屋 建て方のワークショップ
- モデルルーム④ 木更津市
3 ユーザーを対象とした体験・見学ツアーの実施
- 完成した「モクイチ」モデルルームの見学
- 住宅の構造の説明風景
- 君津市三島神社 スギ大径木の抜根 森林インストラクターからの説明
- 清和県民の森にて木工クラフト、木工体験
4 「ちばの木の家づくり推奨店」等の広報と活動支援事業
「ちばの木の家づくり推奨店」等のホームページを開設
5 地域材拡大のための講演会・シンポジウムの開催
平成27年9月8日 地域材利用推進シンポジウム 千葉市ハーモニープラザ
6 親子で集う木育の推進と木造住宅の普及拡大イベントの開催
- 平成27年8月8日 東京中央木材市場
- 平成27年7月26日 船橋アリーナ
7 地域材で建築された優良木造住宅の事例集の作成
8 災害時の応急木造仮設住宅の製作と展示
平成27年8月27日・29日 9都県市合同防災訓練 木造仮設住宅 佐倉中学校