平成27年度 木づかい協力業者による木材利用の促進事業
千葉県森林組合
実施概要
1 生活協同組合パルシステム千葉と産直協定《(仮)森林サポート協定》締結
事業内容:千葉県仲人による生活協同組合パルシステム千葉と千葉県森林組合との(仮称)森林サポート協定締結により、森林再生に結びつく「ちばの木」の販路拡大に取り組んだ。2 県産住宅基本仕様作成委託等
事業内容:千葉県森林組合では「ちばの木の家づくり・森づくり協定」を締結した各工務店の商圏とコンセプトを考慮し、工務店同士の競合を避ける措置をとってきたが、パルシステム千葉との産直協定が計画されているのを機に、若い世代にも手の届く価格設定とした“ちばの木の家”の開発を行い、各工務店が規格住宅として取り扱える仕組み構築に向けて活動した。また、規格住宅開発にあたり一般モニターを募集し、商品企画への参加を図り、商品のストーリーやその制作背景を提供する媒体として活用することに取り組んだ。なお、本事業を機に「ちばの木の家」の情報を一元化してホームページ上に公開した。更に、規格住宅“ちばの木の家”を宣伝・普及するため、日本経済新聞の購読者を中心に折込広告を行い県内各地に配布した。3 ツアー・イベントの企画・開催
事業内容:住宅分野以外における県産材利用として、溝腐病で被害を受けたサンブスギ林の再生を図るため、千葉市美浜区の住宅開発地において液状化対策の打設用丸太(4mφ15cm)7,200本を供給し、「地中の森林づくり」として普及啓発活動を実施した。また、10月21日に行われた丸太打設液状化対策&カーボンストック工法(LP-LiC工法)の公開イベントの支援を行った。事業内容:千葉の森林・林業への理解と関心を深めることを目的に「ちばの木 家づくり・森づくりバスツアー」を開催し、今後、住宅建築を検討している県民17名が参加し、森林の伐採・プレカット工場の見学及び植樹体験を実施した。
4 川上~川下連携の協議会設置に向けた取組
事業内容:木材としての利益を組合員(森林所有者)に対して還元できない深刻な事態を招いているため、大多喜町内の木材加工施設に安定的・持続的に木材を供給し、加工・販売までを地域主体で行える体制を構築するため、大多喜町及び県南部林業事務所を交えた流域内協業体制協議会の準備会を設置する検討を行った。得られた効果
本事業をとおして、川上~川下の森林(木材)管理の必要性及び森林管理のシステム化(組織のネットワーク化)について関係者の理解及び合意が得られた。具体的には、(1) 川上・川中・川下が持続的にビジネス可能なネットワークの継続、(2) 素材生産現場と商品生産現場の連携、(3) 千葉県産材の付加価値の創出が今後も実効的な取組を推進する項目として関係者間で確認された。また、夷隅郡大多喜町における流域資源活用の取組(地域規模の環境保全及び地域経済活性化の取組)への関係者の理解が進み、行政主導の森林計画からボトムアップ式森林計画への道筋が示すことができた。本組では、企画・開発に経営資源を集中させ、他の機能は業務提携で補完することで事業拡大と収益ボラティリティの低減を図る方針が有益であることがある程度裏付けされたことから、今後も木づかい協力業者との連携による木材利用の促進状況の費用対効果や実施可能性を検証した上で本取組を推進していく必要があることが確認された。今後の課題と次年度以降の計画
本助成事業により、多岐にわたる地域材の利用拡大の事業に取り組むことができたが、本事業を一過性に終わらせることなく、実施した事業を足掛かりに、更に、積極的に広く事業展開を図る必要がある。現在、千葉県森林組合と生活協同組合 パルシステム千葉(県内組合員数約22万人)との産直協定締結が計画されている。このため、協定締結後に県産木材を利用した住宅の建設が促進されるよう以下の取組を推進する。県においては、来年度事業において、地域材利用の木造住宅の新築やリフォームに対しての補助金制度を検討しているところであり、本助成金事業で実施した成果及びこれからの積極的な展開により、木造住宅等における地域材の利用拡大に取り組むこととする。記録写真
ちばの木 家づくり森づくり物語バスツアー
- 記念撮影
- 植樹体験
- 森林整備見学