平成27年度 木づかい協力業者による木材利用の促進事業
株式会社グリーンマム
実施概要
川下企業(内装材決定権者)から木質内装建材に関する要望を引き出すためアンケートを実施し、要望の整理・分析を行った。また、アンケートを反映した商品開発を行うため、川上から川下企業が連携して課題の検討を実施し、共同で地域材を用いた内装建材の開発を行った。地域材が都市部の建築で内装建材として広く利用され、多くの人の目に触れ、PRできる機会を作っていくことを目標として、当事業に取り組んだ。得られた効果
製材業者が売りたいものと内装材の決定権を持つデザイナー等との間で意匠に関する価値観が大きく異なっていることがわかった。そこで、非住宅のデザイナーや設計担当者が求める意匠の商品をいくつか試作し、実物を持って提案を行える状態になった。今回の事業により尾鷲の製材業者の意識をユーザー側に近づけることができたと考える。節やアリクイといったキャラクター材をより付加価値の高い建材として利用することでカスケード利用の促進にも貢献するプロジェクトとなる。また、製材の歩留りを改善させることに繋がり、デザイナーが採用する際に最も使いにくい理由であったコストの削減も可能になる。
今後の課題と次年度以降の計画
当プロジェクトで試作した製品は実現場の施工にまで至っていないので、実現場を獲得し、空間構成要素としての評価を収集する必要がある。また、正式な商品化にするために地域の加工業者とも連携して量産体制を構築していく。さらに、地域の製材業とデザイナー等との間の意匠に関する評価の違いは、尾鷲以外の地域にも当てはまると考える。今回の試作品の実績を作ることで、他地域においても製材業者の意識をユーザーに向かうような変革を行っていき、多用なグレードの材料を付加価値の高い状態で使っていくように働きかける。特に非住宅ではスギ・ヒノキといった針葉樹では土足対応が難しくなるため、国産広葉樹の生産地に当プロジェクトがモデル事例になるようにしていく。
記録写真
- アリクイ
- スギ草木染単品
- ヒノキクリア単品
- ヒノキクリア単品亀甲
- ヒノキ着色単品
- 大割
- 土場
- 伐倒