平成27年度 木づかい協力業者による木材利用の促進事業
(一社)山梨県木造住宅協会
実施概要
1:『地域材利用先進事例見学会及び地域材利用方法と品質管理勉強会』の開催2:『私立幼稚園関係者が参加する、「木の保育園」=“第二の住まい”建物見学ツアー及び地域材利用を知る講習会』の開催
3:『地域材を利用した木造建築物の計画と品質管理方法』勉強会及び建物視察
4:『私立保育園関係者が参加する、「木の保育園」=“第二の住まい”建物見学ツアー及び地域材利用を知る講習会』の開催
5:『山梨県産無垢材の乾燥技術向上講義及び現場指導』の開催
得られた効果
・補助金を使用した中規模建築をより求める形で実現するためには、先行(分離)発注は必須となる。その先行発注を、公共建築物において常態化したものとして実践している山形県鶴岡市の先進事例を、中規模建築に中枢で関わるメンバーが視察した事で、その仕組みを理解し習得することができた。今後、より良い木造建築をより多く作り上げることができると確信した。・私立保育園・幼稚園関係者に、園舎の地域材(地元材)による建築が実際に可能であることを理解して頂くことができた。またそのサポートをすることによる、地域材、特に地元産業に貢献できる木材を使用した保育園・幼稚園園舎の建築増加につながると確信した。
・県産材を、公共建築物や延べ床面積500㎡を超える中大規模建築に使用するために必要となる「安定した乾燥技術」について、乾燥およびその他製材についての指導を受け、山梨県地域に合った乾燥の方向性を見出すことができた。また、講習後の杉・桧の品質が向上した事を実感できた。
今後の課題と次年度以降の計画
今回の取り組み含め、これまでの取組で、杉・桧の無垢製品に関する品質向上への活動及び山梨県産材の強度データ等の収集を行ってきたが、唐松・赤松の無垢製品化及び試験等のデータは皆無に等しい状況である。その為、山梨県の中・北部に生息している伐採適齢期を迎えた豊富にある唐松・赤松の利活用方法が無いのが現実である。集成材工場や合板工場が県内に無い中、このまま県外への原木売りだけに頼っていくと、山梨県の木材産業の衰退に直結するのは目に見えている。現に、製材業者は平成25年末には38社まで減り、今後も減少して行くと予想されている。この危機的状況を打破するべく、現在稼動している製材業者の協力の元、利活用方法が無い唐松・赤松の無垢製材品の開発及び研究、データ収集を行い、合わせて山梨県内全域に得た資料を広く広報する事で、山梨県内の木材産業が息を吹き返すことができると考える。当協会では、地域材の利用拡大は、そのまま地域の活性化につながるものと考え、これまでの中大規模建築と一般住宅を一連の事業としてとらえる活動を基に、そこへ提供する地域材の利用拡大を実現していきたいと強く考えている。
その実現のためには以下が必須事項になると考え今後の事業を計画している。
(1)唐松・赤松の無垢製材品の品質データ収集及び建築用材への活用
現在山梨県内に整備されている高温乾燥機と高周波乾燥機を利用した唐松無垢製品の作製を行い、各種試験等を重ねデータを収集。山梨県内の一般住宅や公共木造建築へ利用できる品質の製品をつくる。※強度試験等は山梨県森林総合研究所の協力の元おこなう。
※アドバイザーを立て、WSにて実行する。