平成26年度 木造住宅等地域材利用拡大事業
おだわら森林・林業・木材産業再生協議会
実施概要
●第4回やんべーよの開催
日 時:2015年9月12日(土)、13日(日)
場 所:小田原アリーナ サブアリーナ
概 要
「人を育て」、「木を活かす」、小田原の森林・林業・木材産業の取組の一つとして、住まいと暮らしの相談会「第4回やんべーよ」が開催された。
様々な家づくり係る事業者及びリフォームに係る事業者が参加するとともに、小田原市森林組合、小田原地区木材業協同組合、及び小田原林青会が中心となり、森林・林業・木材産業再生につながる取組みを実施した。
地域産木材を活用したモデルハウス及び小田原フローリングの展示、地域産材での腰壁材の展示、地域産材を利用した家づくりや住宅リフォームへの利用拡大の取組を紹介したほか、地域産材で製作された各種のイベントグッズ(地域産材によるシャーペン、ボールペンや鉛筆など)を、丸太切りワークや小田原産300年の杉材の展示のほか、鉋薄削り体験等、様々なワークショップで活用し、虫害のため利用ができていない地域産材の周知に努めた。
●「きまつり~森と木に包まる夏」
日 時:2015年9月12日(土)、13日(日)
場 所:小田原アリーナ サブアリーナ
概 要
木に触れ、木を生活に取り入れることの大切さを未来を担う子どもたちに伝える「木育」をメインテーマとし、小田原市いこいの森を中心にフォレストアドベンチャー小田原、わんぱくらんど、辻村山林・農園を舞台に、地域の森林・林業・木材産業関係者や地域の学生ボランティアが集まり、木に触れ、木に学び、木と遊ぶイベントを実施。
森林の機能や森林整備の大切さを伝える森林教室を行い、実際に森林の中できこりの指導による間伐・枝打ち体験を行ったのち、大迫力の地元製材所の見学をする、最後に木のいえづくりのアピールと木工体験をしてもらう「森林体験ツアー」が主な事業である。
●組立移動式展示施設
場 所:小田原市民学習センターUMECO、小田原市役所本庁舎2階
概 要
神奈川県県西地域においてはアカネトラカミキリの虫害材のため、建具や家具等では
ほとんど利用させていないことから、不特定多数の市民が利用する上記2施設に地域産材のヒノキのみで製作した机・椅子を設置し、木育事業の取組の一つとして、「木の持つ温かみ」を再認識・利活用してもらうこととした。
●展示フロア内装木質化
場 所:小田原市役所本庁舎3階廊下及びエレベータホール並びに
2階エレベータホール
概 要
おだわら森林・林業・木材産業再生協議会が事業主体として異業種連携を図り、市役所本庁舎3階廊下に腰壁を展示し、先導的に木のしつらえを施した「木の空間展示」の例示とし、木の本来持つ良さをアピールしていくこととした。
3階 秘書室前廊下 両側 腰壁(やまなみ、さざなみを切込みで表現)
3階 秘書室付近エレベータホール 腰壁
2階 出納室前エレベータホール 腰壁(市松模様) 計 94.91㎡
関係団体
小田原地区木材業協同組合(契約相手、製材、材料加工、不燃処理)
小田原大工職組合(設計及び施工)
㈱ラ・ルース(木材加工、パネル製作)、おだわら工匠会(施工)
ヨウデザイン:伊藤陽子氏(デザイン)
得られた効果
リフォームフェア等のいえづくりに直結するイベントのほか、木育イベントにおいても木の持つ温もりなどの長所をアピールできた。また、市役所本庁舎での「木の空間展示」を実施するなど、これまで、強度等には何の問題がないにも関わらず、虫害等により利用が進んでいなかった地域産木材利用拡大について、建材や内装材等として十分利用できることを示すことができた。
また、森林組合から木工事業者まで、いわゆる「川上から川下」までの各種事業者がイベントや事業参画を通じて、情報共有の場の創設や水平連携の紐帯を図ることができた。
今後の課題
小田原市での森林・林業・木材産業が産業として自立するために必要な基盤整備、また、安定的な木材供給の体制づくり、及び様々な業種での木材需要ま喚起策を同時に実施していく必要がある。また、次世代を担う子どもたちに「木の持つ温もり」を実感してもらい、「木の文化の再醸成」を図り、木のいえづくりに繋がる諸施策を今後とも展開していく必要がある。