平成26年度 木造住宅等地域材利用拡大事業
木曽川流域木と水の循環システム協議会
実施概要
木曽川流域材等を活用した住宅商品開発とカタログ作成
国土交通省の地域型住宅グリーン化事業(H27年度)を活用しながら、国が推進している長期優良住宅等をパッケージ化して提案をしている。パッケージの中身としては木材の構造材で3種類、サッシ・断熱で2種類、内装・設備で3種類を選ぶことができ、全18プランから住まい手が住宅の基本性能部分から自身に合った仕様をそれぞれ選ぶことができるようになっている。
木曽川流域材を活用した住宅商品開発(内装材、家具製品、小屋キット)
- 木曽川流域材の檜の赤身のみを使用した縦継ぎタイプ(UNIタイプ)のフローリングの開発を実施した。UNIタイプの為木目が連続しない広葉樹フローリングのように洋風なインテリアでも使いやすい商品に仕上がった。
- 杉や檜の様々な幅や長さの無垢材の表層圧縮を施したテーブルの作成を実施した。杉の源平材などの色差をなくし濃色な高級感ある仕上がりを行うために、焼板プレス加工技術を活用し、様々な色差の無垢板を試作し、ブラックウオールナット調の濃色な天板を作成した。
- 木曽川流域材を主要構造材及び内装材として使い、建築確認申請のいらない10㎡未満の小屋キットの開発を実施した。屋根の形状を陸屋根、片流れ、切妻の3種類から選ぶことができ、消費者が屋根の形状を選ぶことで商品の雰囲気を変えることができる。
需要創造のためのイベント開催(木曽川流域暮らしの感謝祭、木曽川流域体感ツアー)
「木曽川暮らしのマルシェ、木曽川暮らしの感謝祭」は木曽川下流域の住まい手を対象として流域の産品を中心とした衣食住の提案型イベントである。このイベントを通して木材を中心とした流域産品のブランド化や優位性を引き出し、消費者への理解を深めて、ひいては流域経済の活性化を行うことを目的としている。
「木曽川流域体感ツアー」は木曽川流域の生産者の訪問研修を行うツアーとして企画した。テーマとしてはマテリアル(素材)、エネルギー(燃料)、ライフスタイル(生活品)の3つがあり、このテーマを元に視察先を回ることとなっている。このツアーの目的は木曽川流域材の生産の背景を知っていただき、木曽川流域材を活用した家づくりを普及していくこととなっている。
ブランディング化のためのコンセプトブック及びPRツールの作成
コンセプトブックに関しては木曽川流域図を含めた木曽川流域材の概要の説明や協議会の紹介及び活動のご案内を基本内容としている。また日本の林業の現状や木材という素材の長所についてなど幅広い内容を掲載している。
木曽川流域材ののぼり旗及び垂れ幕及び案内看板のデザイン・製作を行った。今回ののぼり旗などは協議会が進める家づくりブランドである「木曽川流域のつながる家」を全面に出しており、一般の方向けに木曽川流域材の視覚的なブランディングを目的に製作をしたものである。
情報発信機能の強化(木曽川流域材HPの作成、PR動画の製作)
木曽川流域木と水の循環システム協議会のHPの作成を実施した。協議会の会員工務店が木曽川流域材を活用した家づくりを行い、その企業紹介や施工例をアピールできるホームページの作成を行った。
エンドユーザーと協議会会員との接点強化の場としての各種イベント(木曽川流域体感ツアー・木曽川流域暮らしの感謝祭)をエンドユーザーに効果的に伝える手段としてのPR動画を製作した。
得られた効果
- 木曽川暮らしのマルシェでは1052名の方がイベントへ参加をしていただき、木曽川流域材の周知と普及に対して大きな効果があった。
- 木曽川流域体感ツアーでは新規の工務店にも3社参加していただき、回を重ねる毎に参加者の広がりを作ることができた。また今後、開催するお施主様向けのツアーへの企画案の参考となった。
- これまでは木曽川流域材の商品は住宅の構造材のみであったが、内装材や家具、キットハウスなどの商品の開発ができ、木曽川流域材を普及していくための提案の幅が広がった。
- ホームページや動画やサインパネル、のぼり旗など一般の方向けに木曽川流域材をPRしていくツールが揃い、木曽川流域材のさらなる普及が可能となった。また工務店が主催する展示会への支援も可能となった。
今後の課題
本年度までは事務局がある愛知県小牧市を中心とした活動がメインであった。しかし、木曽川流域下流域は名古屋~知多半島まで広大な受給地帯がある。そのエリアに対していかに普及を広げていけるかが課題である。感謝祭などのイベントの開催方法を含めて、よりエリアを広げた取り組みを検討していく。さらに活動エリアの拡大と並行して会員の集客活動もしっかりと実施を行い、団体としての地盤強化に努めていく。
また次年度以降は木曽川流域材の用途開発に関して今まで取り組みができていなかった非住宅向けの取り組みも課題とする。集成材や無垢の規格材などを活用した非住宅部材や構法の開発を一つの柱として検討を進めていく。
記録写真
- つながる家コンセプトブック
- 木曽川流域材コンセプトブック
- 桧のUNIフローリング
- 木曽川流域ガーデンハウス
- 杉 圧縮材家具
- 展示会用の垂れ幕
サイズ180×360㎝ - 木曽川暮らしの感謝祭
- 木曽川流域体感ツアー①
- 木曽川流域体感ツアー②
- 木曽川流域つながる家HP