平成26年度 木造住宅等地域材利用拡大事業
一般社団法人大阪府木材連合会
実施概要
木材展示施設整備
- ① 住之江区役所の多目的ロビー(床77㎡、壁面22㎡)についてトドマツフローリング及び杉板
- ② 複合大型商業施設「ATC」において子育て世代を対象とした国産材を活用したオープンスペース「ママのフォレストパーク」を開設。また、定期的にワークショップを開催するなど木育の拠点として推進
- ③ 平林もくもく広場において国産材を活用したCLT木造仮設住宅を設置し、情報発信基地として活用。また、平常時は公園や施設のフェンスやデッキとして備蓄し、災害発生時に約1時間で施工可能な木造応急仮設住宅を展示し、10/18開催の平林祭りにて建込み実演を行った。
- ④ 枚方市役所において木材利用の核となる展示を兼ねた施設整備を行った。
キャンペーン
- ① Timberize OSAKA展覧会にて、今後の都市における木造建築のあるべき姿として2020年東京オリンピックのために整備する主要な施設を木造化、木質化を提案した他、セミナー、トークイベント、講演会を行った。
- ② 大阪木材会館にて木材利用の健康面でのメリット、住之江舞昆ホールにて耐震補強の重要性についてセミナーを実施した。
- ③ 木育イベント「木のぬくもり♪ママまつり」を開催。木のぬくもりを感じてもらうと同時に、森林の大切さ、木材への理解を図った。
- ④ 一般、学生向け木材PRイベント「DIY Rスクール」開催。大阪産木材を使用して実際に小ぶりサイズの木造戸建てを施工し、木造住宅、大工技術の理解を図った。
- ⑤ 木のおもちゃを通して、木のぬくもりをPRする「木のおもちゃカーニバル」を行った。
- ⑥ 針葉樹家具コンクールを実施、入選作をリビング&デザイン展で展示し、地域材普及啓発を図った。
- ⑦ 上記イベントなどで、間伐材、端材で作った割り箸を配布した。資源有効活用、雇用創出などが図れる木材製品であることをPRした。
- ⑧ 新聞などでの広報を行い、本事業に対する周知、情報の提供を行った。
記録写真
(1)木材展示施設整備
① 大阪市内装木質化
大阪市住之江区役所の多目的ロビー(床77㎡、壁面22㎡)についてトドマツフローリング及び杉板により木質化を実施した。今後はこの住之江区役所と連携を強化し、大阪市内の他の区役所にも広げられるようにその普及促進を積極的に図っていく。
② ATC内装木質化
大阪ベイエリア(南港)の複合大型商業施設「ATC」において子育て世代を対象とした国産材を活用したオープンスペース「ママのフォレストパーク」を開設した。ATC では、若いファミリーをターゲットとした大型催事を季節ごとに開催し、親子3 世代が安心して楽しめる施設として年間560 万人を超える来場者数を誇り、集客力は抜群である。また、この「ママのフォレストパーク」の運営をNPO法人チルドリンが担当し、定期的にワークショップを開催するなど木育の拠点として推進していく。
③ 平林展示施設等
大阪市住之江区平林は木材の街であり地域の特性を活かして、平林もくもく広場において国産材を活用した木造仮設住宅を設置し、情報発信基地として活用していく。今後予想される南海トラフ巨大地震に備えて、平常時は公園や施設のフェンスやデッキとして備蓄し、災害発生時に約1時間で施工可能な木造応急仮設住宅を展示し、10/18開催の平林祭りにて建込み実演を行った。また、今後需要が期待されるCLT(直交集成板)を活用した木造仮設住宅を展示し、高い寸法安定性、断熱性、耐火性、遮音性等を持ったまったく新しい木質材料であり、中大規模建築物の木造化も可能となるなど今後の都市木造を進めるうえで大きな可能性を示すことができた。
④ 枚方市内装木質化
日本で一番暑い都市であり、人口急増地で大阪のベッドタウンの枚方市において地域の中小工務店による国産材利用拡大に向けた取組や既存住宅リフォームへの国産材利用拡大に向けた取組を拡大するために枚方市役所において木材利用の核となる展示を兼ねた施設整備を行い、広く一般消費者に木材の普及啓発を図った。
(2)キャンペーン
① Timberize OSAKA 〜都市木造が大阪を未来へつなげる~の開催
2020年東京オリンピックのために整備する主要な施設を木造化、木質化し、今後の都市における木造建築のあるべき姿(都市木造)を提案したティンバライズ展示会を開催した。木材業界のみならず、建築、設計関係者、建築関係を学ぶ学生等多数の参加者が訪れ、また、都市木造の第一人者である東京大学腰原教授等によるシンポジウムも開催し、2019年ラグビーワールドカップやIR誘致など大阪での今後の木造建築の可能性を広げる大きな機会となった。
展覧会
(第1期)
会期:平成27年10月15日(木)~20日(火)
開催時間:10:00〜18:00
場所 :大阪デザイン振興プラザ デザインギャラリー
(大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビル ITM棟10F)
参加者:1,000名
(第2期)
会期:平成27年10月22日(木)~11月10日(火)
開催時間:10:00〜17:00
場所 :大阪木材仲買会館(大阪市西区南堀江4-18-10)
参加者:1,000名
セミナー、シンポジウム
(第1回トークイベント)
演題:「ティンバライズ・デザイン~都市木造が描き出す近未来の都市と建築~」
日時:平成27年10月16日(金)15:30~17:30
場所:大阪デザイン振興プラザ デザインギャラリー
講師:term Timberize 腰原幹雄氏、八木敦司氏、加藤征寛氏、内海彩氏、小杉栄次郎氏
参加者:40名
(第2回トークイベント)
演題:「木造建築の現在進行形 in OSAKA」
日時:平成27年10月17日(土)14:00~16:00
場所:大阪デザイン振興プラザ デザインギャラリー
講師
講師:関西若手建築家 森田一弥氏(森田一弥建築設計事務所)、島田陽氏(島田陽建築設計事務所)、山本麻子氏(株式会社アルファヴィル) 地元木材業若手 松下哲也氏(松下木材株式会社)、田中由虎氏(有限会社田中製材所)、福島徹氏(福島製材)
term Timberize 腰原幹雄氏、加藤征寛氏、内海彩氏、小杉栄次郎氏
参加者:40名
講演会
(第1回)
演題:「Timberize 都市木造の可能性」 LIVING & DESIGN 2015内
日時:平成27年10月16日(金)10:30~11:30
場所:LIVING & DESIGN 2015 Dホール
講師:腰原 幹雄氏(team Timberize理事長・東京大学生産技術研究所教授)
参加者:100名
講演会
(第2回)
演題:「Timberize 都市木造の可能性」MOKスクール内
日時:平成27年10月24日(土)17:00~19:00
場所:大阪木材仲買会館
講師:腰原 幹雄氏(team Timberize理事長・東京大学生産技術研究所教授)
参加者:90名
② 事例発表
(ア)セミナー「木材と健康維持増進!」の開催
現在、居住空間においては、石油製品系の内装資材等により囲まれていることが多く、化学物質などの環境汚染の影響を受け易い子供達にとっても必ずしも最適な環境にあるとはいえない状況である。子供は空気の摂取量が体重比で大人の倍にもなり、有害物質の影響も大きくなる。杉材は調湿を始め、空気浄化や脳機能や免疫力などに大きな影響を持っている。このような木材の持つ健康の維持増進の機能は最近急速に研究が進み、木材の秘めたパワー「健康」を主題に、木材を生理学、医学的な見地から学際的に調査されたデータをもとに考え、健康に良い資材とは何かを改めて体感できる世界最先端の内容のセミナーを開催した。
日時:平成27年8月19日(水)14:00~17:20
場所:大阪木材会館
講師:川井秀一氏(京都大学名誉教授、思修館館長)
東 賢一氏(近畿大学医学部環境医学・行動科学教室准教授)
藤田佐枝子((有)ホームアイ 代表)
参加者:120名
(イ)「命をまもる 防災講演会」の開催
大阪沿岸部は歴史書をみても何度も大津波の被害に遭遇している。地震、津波などの災害発生時、その被害が大きければ大きいほど、消防などの行政機関による「公助」が市民のところへ届くのに時間を要することとなる。実際、阪神大震災では生き埋めになって助かった人の9割以上が家族や近隣の人によって救助されたことからも、「自助」「共助」の大切さが明らかとなった。熱心な津波防災教育により多くの命を救った東日本大震災の「釜石の奇跡」で全国的に有名な片田敏孝先生と木材を活用した命を守る耐震補強の第一人者の川瀬博先生による講演会を大阪市住之江区と連携して開催し、併せて木材と防災に関しての展示も行い、普及推進を図った。
日時:平成27年9月26日(土)13:30~16:30
場所:すみのえ舞昆ホール
講師:片田敏孝氏(群馬大学大学院理工学府教授)
川瀬 博氏(京都大学防災研究所教授)
参加者:200名
③ 木のぬくもり♪ママまつり
子ども向けのワークショップや体験型ブース等で木のぬくもりを感じてもらうとともに、「木育」に関する取組み等を広くPRすることにより、森林の大切さや木材に対する理解を深めてもらうために親子が楽しめるイベントを開催した。
日時:平成27年11月3日(祝)
開催時間:11:00〜16:00
場所 :大阪南港ATCハーバーアトリウム、セントラルアトリウム
参加者:6,000名
④ DIY R スクール(ワークショップで家を建てる)の開催
大阪ベイエリア(南港)の複合大型商業施設「ATC」内に建築を学ぶ学生やDIYによるリノベーションに興味がある一般の人を対象に木造住宅が完成するまでをワークショップ形式で行った。大阪産の木材「おおさか材」を使用して木造住宅を一からみんなで作った。スケールは小さいが 柱、梁、内装すべてが木造住宅と同じで戸建木造住宅と同じ作業手順でつくるので、住まいの仕組みを理解しながら工具の使い方も学べる内容になっている。 家の構造を理解することで、間取り変更などのリノベーションや棚の取り付けなどのDIYにも役立てることができる。一般の人により身近に木材を使用してもらうきっかけとなった。
日時:平成27年7月18日(土)~平成27年10月3日(土)
毎週土曜日(全10回)10時30分から16時30分(集合10時00分)
カリキュラム:7月18日 棟上げ 7月25日 足場組みと屋根下地 8月1日 屋根材貼り 8月8日 窓ドア取付と外壁下地 8月22日 外壁貼り 8月29日 窓枠取付と断熱 9月5日 床下地とフローリング貼り 9月12日 予備日 9月19日 壁・天井の石膏ボード貼り 9月26日 ペンキ下地パテ埋め 10月3日 壁・天井のペンキ塗り 10月10~12日 完成見学会
開催場所:大阪南港の複合商業施設ATC
メイン会場:メインゲート/第2会場:ITM棟11階アトリウム
参加者数:30名(申し込み者数約60名の中から抽選により決定)
⑤ 木のおもちゃカーニバル
「東京おもちゃ美術館」を招聘し、大阪南港ATCにおいて「木のおもちゃカーニバルin南港ATC」を開催した。親子で木のおもちゃで遊びながら木の感触を体感し、木の心地よさを知り、木のぬくもりを存分に楽しみ、木材の普及啓発を図った。
日時:平成27年8月8日(土)~9日(日)
開催時間:10:00〜17:00
場所 :大阪南港ATCハーバーアトリウム
参加者:5,000名
⑥ 針葉樹家具コンクール
家具・インテリアを通じて地域材(針葉樹)の良さを積極的にPRし、消費者に安心して地域材(針葉樹)の製品を選択してもらうために針葉樹を使用した家具のコンペティションを行った。入選作品についてはリビング&デザイン2015(10/14~10/16)にて展示を行い、消費者への地域材の普及啓発を行った。
展示期間:平成27年10月14日(水)~16日(金)
展示会場:リビング&デザイン2015(大阪南港ATCホール)
審査員:内藤 廣氏、小泉 誠氏、喜多俊之氏
⑦ 割箸等木製品作成・配布
昨今のマスコミ等の報道の影響によりプラスティック製の箸の使い回しや輸入の割箸などが多く使われるようになっているが、森林資源の有効活用、地域雇用の創出に割箸は非常に有効である。吉野材の間伐材、端材をメインとする割り箸サンプル等の木製品を本事業で開催するイベント等でサンプルを手渡し、日々の暮らしの中で木材の情報を訴え、環境にやさしくサスティナブルな資源である木材の普及啓発を推進した。
⑧ 新聞等広報
本事業について一般消費者へのPRを協力に推進するために新聞広報による周知、情報提供を行った。
(掲載イベント)
- セミナー「木材と健康維持増進!」 告知及び採録
- 「命をまもる 防災講演会」 告知及び採録
- 木材活用と防災 対談記事