四国四県木連による八十八ヶ所霊場への木製ベンチ設置式
香川県甲山寺で木製ベンチ設置式
平成28年度林野庁補正事業を活用し、今年四国の県木連が一丸となり、四国八十八ケ所霊場に木製ベンチを作製・設置する計画が動き出しています。この企画は霊場に訪れるお遍路さんに休憩して貰い、木の良さを感じてもらうことによって地域材の普及促進を図るもの。今回は、四国八十八ヶ所霊場会会長である第七十四番札所医王山多宝院甲山寺にて設置式が行われました。
開会挨拶では、(一社)全国木材組合連合会四国支部長・小川康夫氏がベンチ設置協力への感謝の言葉を述べました。来賓の(一社)全国木材組合連合会企画部主査は「設置をすることにより、多くの方々に木製ベンチを体感して頂き、ぜひ木の魅力を伝える場となってほしい」と期待を寄せました。最後に霊場会・大林会長がご挨拶され、式典は滞りなく行われました。
デザインに込められた設計者のやさしいアイデア
四国八十八ケ所霊場の中でも香川の霊場は、「涅槃の道場」と呼ばれる遍路行の最終エリア。涅槃の道場へ進んだ巡拝者はすべての煩悩を打ち破り、解脱の境地に導かれるとされております。そうした背景から着想し、木製ベンチ「涅槃の座」をデザインした建築家の河西範幸さんは、「巡礼される方がつえを立てかけてもいいし、足を伸ばしてリラックスできるように」と座る人が自由に使えることを考え、設計したそうです。香川県産のヒノキを使ったベンチに座ってみると手触りの良さを感じました。最後にベンチへの願いを聞くと「多くの方々がベンチで休んで、木に触れて欲しいですね」と笑顔で答えてくれました。
ベンチの素材となった四国四県の地域材の魅力とは?
各県で設置されている木製ベンチはデザインが個々に違い、随所にこだわりが見られます。四国各県木連の担当者が一同に会するこの機会に、ベンチに採用している県産材の特徴と魅力について伺いました。
徳島県の県産材は、スギ。柔らかく肌触りがいいと評判で、除湿性に優れて消臭効果もあるため、内装の床材に利用されているそうです。愛媛県産材のヒノキは素材生産量が全国2位。耐久性も高く一般住宅に利用されています。高知県もヒノキの生産が盛んで、油分を多く含み、赤みが強く色ツヤがいいと喜ばれています。香川県は雨量の少ない気候のため、年月をかけて育ったヒノキは年輪が均等で曲がりが少ないと言われています。
香川県木材協会専務理事・加見雅信氏は「木製ベンチをきっかけに木の温もりを感じて、ぜひ木のファンになって欲しいですね」と抱負を語りました。
徳島県 第十二番札所 摩廬山 正寿院 焼山寺
愛媛県 第五十番札所 東山 瑠璃光院 繁多寺
高知県 第三十九番札所 赤亀山 寺山院 延光寺
木製ベンチ設置事例
香川県 第八十八番札所 医王山 遍照光院 大窪寺
その他の木製ベンチ設置場所
四国八十八ヶ所霊場紹介 http://www.88shikokuhenro.jp/map.html
全ての霊場にベンチは設置しておりません。各霊場でご確認ください。
関連リンク
香川県木材協会徳島県木材協同組合連合会
愛媛県木材協会
高知県木材協会
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