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21世紀のあるべき企業像〜勝ち組企業の条件とは〜2


   

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会社とは法人であり、人である。人というのは病気もする。会社も同じであり、例えば、便秘になったりする。便秘とは、生産の工場で在庫が溜まることであり、下痢とは需要と供給のバランスが崩れることである。最近では、サントリーのお茶の「伊右衛門」というのがあり、3日で生産が止まってしまった。その理由は、竹筒みたいな形の容器がなくなってしまったということである。サッポロビールの黒生が止まってしまったり、少し前ではハーゲンダッツのプリンのアイスクリームの生産が止まったということがある。

このようなことをうまくマネージして、会社の価値を上げている会社があるかというと、海外にたくさんある。デルモデルというものをつくったデルコンピュータなどがある。日本の会社では、ファーストリテーリング(ユニクロ)という会社がある。ユニクロが勝ち組の会社であるがユニクロとは何か?。フリースが売れたことによりカジュアルウエアを席巻したと考えている方がいると思う。フリースが売れただけであれだけ大きな小売業にはならない。

実は、違ったビジネスモデルである。先に答えをいうと、ユニクロはSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel=製造小売業:商品の企画から生産、販売までを一貫して行なう企業。生産そのものは協力工場に委託していることが多いが、自社の強力なコントロール下にある。背景としてはアパレル関係は需要の変動が激しく、需要動向を見て企画から生産、販売までを機敏に行なわなければならないため、複数の企業の連係で行なうよりも、一社でカバーした方が全体を制御しやすいという事情がある。)である。製造もするし、小売も行う。たまたまアパレル(洋服)を売っている。洋服を売って儲けて成長したのではなく、SPAモデルというビジネスモデルに、洋服をのせてあれだけ成長したのであり逆である。

俗に言うアパレルと何が違うか。アパレルは、調達だけを行い、販売はデパートなどで行う。生産は中国、東南アジアになどに委託生産をする。デザインは森英恵、クリフチャンディオールなどのトップデザイナーが行い、自社で抱えているわけではなく、持たざる経営を行っているのがアパレルである。しかし、弱みがある。バラバラの経営体で行っているので販売が落ちることがある。例えば1月1日の売上げが落ちたとした場合、1月2日の調達を止めるようなことはできない。3ヶ月、4ヶ月先の調達やデザインをかけている。

コントロールできない現状を見て、柳井さん(ファストリテーリングの会長)は、20年前に山口県の小郡で洋品店をやっていたが、全部、自分の会社でやれば、儲けが少なくても売れなくなれば直ぐ、やり直しがきくと発想した。だから全部を自分でやっている。販売もユニクロという店舗で行っている。生産は中国を使っているじゃないかと思われるかもしれないが、100%ユニクロの製品しか作っていない。工場長が自ら中国にいって自分で教えて、自分の製品を作っている。他は大きな工場に生産を委託しているので、遅れが出たり、製品の品質が悪くなったりしている。ユニクロはカジュアルウエアをのせただけである。SKIP(スキップ)という野菜をやって、撤退したこともある。証券アナリストが、フリースの売上げが300〜400億円ダウンし、野菜をはじめるといっても初年度が10億、20億、これで終ったと書いて、株がストップ安となった。

そうではない。野菜とか食べ物であるが、今日皆さんが食べた朝ごはん、昼ごはんででてきた、野菜は誰がつくったか、誰が運んだか、誰が売ったか?。わからない。牛のBSEで話題になったトレーサビリティという言葉があるが、ユニクロはその前からビジネスプラットホームをもっていたので、食を乗せれば売れるのではないか、それに3倍のコストをかけて、お客さんに提供すれば、作っている人も売っている人も全てわかる。作っている人は永田農法で、販売はWebだけでしかやらない。売っているものは履歴として全部取れる。ただ、それにマーケットがついてこなかったというのが、SKIPである。しかし、撤退は早く、あっという間に撤退した。

KPI(Key Performance Indicator:主要業績評価指標。企業の事業収益を構成する主要なパラメータのひとつ。企業の将来性を含めた評価を可能にするもの。そのために、財務関連の数値をベースにした従来の業績評価のみならず、ブランドの力、顧客のロイヤリティ、社員のナレッジなどといった、いわば無形ともいえる企業資産を数値化しつつ、これにおける関連性を明確にしていく。)という指標を持っていて、この数値を超えたら止めるということを決めているから、あっさり撤退する。ユニクロはこうゆうモデルを持っている会社であると見ると、いくらでも商材がある。

例えば、カーテンの標準単価というのがある。私の想像であるが、ユニクロがカーテン、照明、あるいはオダーシャツのようなものをやると爆発的に伸びる可能性がある。そういう会社である。だから伸びたのであって、たまたま洋服があたったのではなく、ビジネスモデルを持っていて、それに売るものをのせたのである。こういう会社をSPAという

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