3 木材の乾燥についての質問と回答

Q 3−2 乾燥方法にはどのようなものがあるのですか。

A1
  木材を乾燥する方法としては、天然乾燥と人工乾燥に大別されます。
  天然乾燥は、屋外や屋根付き倉庫に製材を、風の流れを考えて桟積み(側面に風
 が当たるように)し、2〜3ヶ月おくと、普通、柱材で25%程度まで、厚さがう
 すい製材ですと15%位まで含水率が下がります。一見、簡単そうに見えますが、
 積み方、置き場所、天候、材の特性によって割れ等を防いだり、工夫することが必
 要となります。

 2
  天然乾燥の特徴として、
   [1]場所さえあれば設備費がほとんどかからない。
   [2]繊維飽和点(木材の細胞壁内の微細空隙が結合水で飽和されている状態の含
    水率)まで比較的早く乾燥する。
   [3]人工乾燥の前処理にすれば乾燥むらが軽減できる。
   [4]高含水率材、乾燥の困難な材料では人工乾燥で生じやすい欠点が少なくな
    る。
 などの長所がある反面、
   [1]その土地・季節の天候条件に支配され、長い乾燥時間を要する。
   [2]長時間乾燥しても、そのときの気乾含水率以下に下げることはできない。
   [3]乾燥中にカビや腐朽菌の被害を受けやすい。
 などの短所があります。

 3
  人工乾燥は、木材を乾燥装置の中に搬入し、装置の中で熱を加えたり、除湿した
 りして、木材を短期間の間に乾燥させる方法です。
  代表的な方法としては、蒸気式、高周波式、除湿式、燻煙熱処理式等があります。
下記にそれぞれの概要を示します。

 [表] 木材乾燥施設の概要

乾燥方式
特 徴
処理時間
[処理後の含水率]
湿 度
一般的な容量
(能力)
標準価格
(万円)
感想コスト
(円/m3)
蒸気式[*1]
(一般)
・最も普及
・時間がかかる
10〜14日
(20〜30%)
50〜80゚C
10〜30m3
1.000
9.000
蒸気式[*2]
(高温)
・乾燥が速い
・操作が難しい
・設備の耐久性に不安
2〜3日
(20〜30%)
100〜130゚C
10〜30m3
1.200
7.500
除湿式[*3]
・操作が簡単で、失敗が少ない。
・長い時間がかかる

15〜30日
(20〜40%)

35〜50゚C
10〜30m3
1.200
10.000
高周波加熱減圧方式[*4] ・急速乾燥が出来る
・他の法法では困難な材でも乾燥できる
・桟積みが不要
・設備費が高い
1日
(30〜40%)
35〜95゚C
10〜20m3
4.500
7.500
燻煙式[*5] ・内部成長応力が緩和され製材時の歩止りが向上
・品質管理が難しい
・製材後の乾燥必要
3日
(30〜60%)
100〜150゚C
20〜100m3
7.000
2.000

 [*1]:熱風により乾燥する方式
 [*2]:熱風により乾燥する方式(高温での乾燥)
 [*3]:除湿により乾燥する方式
 [*4]:高周波により乾燥する方式
 [*5]:丸太をにより燻煙により乾燥する方式

 注 : 1)処理時間、処理後の含水率及び乾燥コストはスギ芯持ち柱材を乾燥した場合。
    2)高周波加熱減圧方式及び燻煙式の場合、
      この他に仕上げ乾燥のための時間及び経費が必要。

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