5 木材の規格についての質問と回答
Q 5−6 AQ認証制度とはどのようなものですか。 |
A1
木質建材の品質・性能を保証する制度としては、従来からの「JAS」規格がありま
す。
製材や合板等にはこれが適用され、その適用範囲も新製品開発に伴い、逐時拡大
されてきました。
しかし、消費者のニ一ズは多様化・高度化してきています。それに対応して、木
質建材も新しい製品が次々に開発され、「JAS」だけでは対応できない新製品が多く
なっているのが実状です。
そこで登場したのが、「AQ」制度です。
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AQ制度は、新しい木質建材等について品質性能試験を行い、優良な製品にはAQ
マークの表示が認められます。
つまり、AQマークはJASマークとともに、信頼の目印となります。
「AQ」は昭和49年から農林水産大臣の行う制度として運営されてきましたが、昭
和63年度からは(財)日本住宅・木材技術センターの運営する事業に移行しまし
た。現在は(財)日本住宅・木材技術センターによる優良木質建材等認証事業とし
て実施されています。
3
「AQ」の対象となる木質建材等は、製品認証と項目認証があります。
製品認証はJAS規格が制定されていない製品について認証を行います。
項目認証はJAS規格に定められていない特殊な品質・性能を有する製品について認
証を行います。
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「AQ」の申請は、製品の種類によって(財)日本合板検査会、(社)全図木材組
合連合会、または(社)北海道林産物検査会を経由して、(財)日本住宅・木材技
術センターに申請書が提出されます。
企業等から申請のあった製品は、(財)日本住宅・木材技術センターが品質・性
能試験等を行います。その結果、判定基準に適合し、生産状況などから品質の安定
性が十分保持できると認めた製品を認証します。
5
認証した企業等には、(財)日本住宅・木材技術センターが認証書を交付しま
す。認証有効期間は3年です。
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認証を受けた製品には、AQマークが製品の1つずつ、または各包装ごとの見やすい
箇所に表示されます。
AQ認証製品は定期的に品質性能の検査を行うほか、製造工場の調査も行います。
いわば、認証のフォローアップです。
7
AQの対象となる建材は、次のとおりです。
[1]高耐久機械プレカット部材
木造建築の構造材(乾燥処理製材・集成材)に、あらかじめ機械により継手、
仕口の加工が施してあり、所要の部材に防腐・防蟻処理材が加圧注入されてい
る製品です。
[2]乾燥処理機械プレカット部材
木造建築物の構造材(乾燥処理製材・集成材)に、あらかじめ機械により継手、
仕口の加工が施してある製品です。
[3]保存処理材
製材に所定の防腐・防蟻処理剤を加圧注入し、防腐・防蟻性能が付与されてい
る製品です。
[4]屋外製品部材
丸太(丸棒を含む)または製材に、屋外製品部材としての加工を施したもの
に、所定の防腐・防蟻処理剤を加圧注入し、防腐・防蟻性能が付与されている
製品です。
[5]防腐・防蟻処理構造用集成材
構造用集成材のラミナに、所定の防腐・防蟻処理剤を加圧注入して製造し、防
腐・防蟻性能が付与されている製品です。
用途としては建築のほか、屋外製品部材としても使用できます。
[6]防蟻処理材
製材または耳付材に、所定の防蟻処理剤を加圧注入し、シロアリの披害を防止
するための防蟻性能が付与されている製品です。
[7]接着剤混入防腐・防蟻処理合板(等)
接着剤に所定の防腐・防蟻処理剤を混入して製造し、防腐・防蟻性能が付与さ
れた普通合板、構造用合板、特殊合板、単板積層材、構造用単板積層材、複合
フローリング等の製品です。
[8]防蟻処理合板(等)〔加圧注入単板処理〕
普通合板、構造用合板、特殊合板、単板積層材、構造用単板積層材、複合フ
ローリング等に所定の防蟻処理剤が加圧注入(単板処理)されている製品です。
[9]防腐・防蟻処理合板(等)〔加圧注入単板処理〕
普通合板、構造用合板、特殊合板、単板積層材、構造用単板積層材、複合フ
ローリング等に所定の防腐・防蟻処理剤が加圧注入(単板処理)されている製
品です。
I防虫処理天井板
天然木または、特殊加工化粧合板および桟木によって構成した天井板に、ヒラ
タキクイムシの食害を防止するため防腐処理が施されている製品です。
J軒下天井
合板の表面を樹脂、合成紙等で加工した軒下天井板で、耐侯性が付与されてい
る製品です。
Kモルタル下地合板
構造用合板に防水処理を施し、さらに表面に特殊セメントで凹凸を付け、モル
タルの付着性が付与されている製品です。
L直張り遮音フローリング
直接コンクリートスラブ上に施工するフローリングで、クッション材なとを積
層して、軽量床衝撃音遮断性能が高められている製品です。
〔問合せ先〕
(財)日本住宅・木材技術センター
〒107-0052 東京都港区赤坂2−2−19 アドレスビル4階
電話 03−3589−1788 FAX 03−3589−1766
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