6 建築の担い手と新たな住宅建築についての質問

Q 6−3 工務店の世界にもフランチャイズチェーンがあるそうですが。

A1
  (社)日本フランチャイズチェーン協会によれば、フランチャイズとは、事業者
 (「フランチャイザー」と呼ぶ。)が他の事業者(「フランチャイジー」と呼ぶ)
 との間に契約を結び、自己の商標、サービスマーク、トレードネームその他の営業
 の象徴となる標識、及び経営のノウハウを用いて同一のイメージのもとに商品の販
 売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーがその見返りとして一
 定の対価を払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導及び援助の
 もとに事業を行う両者の継続的関係をいいます。

 2
  日本のフランチャイズのほとんどは、「システムパッケージ型フランチャイズ」
 と呼ばれ、その骨子は以下の3点に要約されます。
   1,すでに成功の実績のある事業者が本部事業者となって、契約により加盟店に
    対しそれらの使用を許諾すること。
   2,本部は、チェーン全体のイメージを統一するため、特定の商標、商号または
    その一部を加盟店に使用させること。
   3,本部が、加盟店に対して、物品の販売、サービスの提供、その他事業経営全
    般にわたる指導、統制、援助等を継続的に行うこと。

 3
  このようなフランチャイズチェーンに加盟するによって、加盟者側は、[1]素人で
 も開業でき、成功率が高い、[2]市場ニーズの変化に対応できる、[3]役割分担が明
 確、[4]商品や原材料の安定供給を受けられる、[5]継続的な指導を受けられる、[6]効
 果的な販売促進活動が可能となる、[7]ネットワークビジネスの利点を生かせるとい
 ったメリットがあります。

 4
  日本におけるフランチャイズは、ダストコントロールの分野で1963年に導入さ
 れ、その後、1970年代には外食産業、1980年代には小売業において急成長しました。

 5
  住宅分野においては、大手住宅資材メーカーの住宅供給企業として、1984年には
 じめて登場し、その後急成長をとげました。現在、国産の住宅フランチャイズチェ
 ーンとして約40社が活動中です。具体的な事業として、部材の共同購入、協同宣
 伝、技術支援、設計支援、営業支援・指導等を行っています。

 6
  なお、フランチャイズチェーンと似ているものに代理店制がありますが、代理店
 制では、メーカーが代理店に与えるものは主として商品の販売権だけが対象となっ
 ているのに対し、フランチャイズチェーンでは、その加盟店に対し、商品の販売権
 はもとより店舗の経営に関する包括的な営業権を付与するのが通常です。

住宅フランチャイズの加盟店数
  100社未満 100〜200 200〜300 300社以上
国 産 住 宅
24社
8社
4社
4社
輸 入 住 宅
20社
1社
資料:日本住宅新聞

主な住宅フランチャイズの事業状況等
 
会員数
会  費  等
事  業  状  況
加 盟 金
ローヤリティー等
Aホーム
202社
450万円
30万円+売上高×1.5%
共同購入、共同宣伝、ノウハウ指導、営業指導等
Eチェーン
181社
1年目のみ
120万円
2年目以降
50万円/年
共同宣伝、ノウハウ指導、営業指導等
Fグループ
約600社
なし
(保証金制度有)
共同購入、共同宣伝、ノウハウ指導、営業指導等
O協会
285社
250万円
保証金50万円
年会費72万円
共同購入、共同宣伝、ノウハウ指導、営業指導等
Kグループ
260社
150万円
開発費150万円
資料代100万円
保証金 50万円
年会費 78万円
共同購入、共同宣伝、ノウハウ指導、営業指導等
Rグループ
202社
260万円
保証金100万円
広告費 23万円
ローヤリティ 8万円
共同購入、共同宣伝、ノウハウ指導、営業指導等
資料:日本住宅新聞

 

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