7 木材の乾燥と新たな木質資材についての質問と回答

Q 7−2 建築基準が性能規定化されることとなった経緯はどのようなものですか。

A1
  建築基準法(昭和25年法律第201号)は、建築物の敷地、構造、設備及び用
 途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって
 公共の福祉の増進に資することを目的とした法律です。
  このため、建築基準法においては、建築物が単体として具備すべき構造、防火、
 避難、衛生等に関する技術的基準、集団としての建築物の秩序を確保するための用
 途、密度、形態等に関する基準を定め、また、これらの基準の実効性を確保するた
 めの制度や行政機関、所要の手続き等についても規定しています。
  なお、建築基準法は、施行以来経済社会の進展や建築技術の革新等に伴い、時代
 とともに変化してきています。

 2
  このような中で、平成7年11月8日、「ISO等の国際規格との調和を図ると
 ともに、消費者利益の保護等を踏まえながら、より透明性・客観性の高い建築基準
 体系の在り方を検討する必要がある。その際、併せて規制内容の合理化を図る必要
 がある。」などを理由として、建設大臣は、建築審議会に対し、「二十一世紀を展
 望し、経済社会の変化に対応した新たな建築行政の在り方について」諮問し、現
 在、建築審議会において、基本的考え方が審議されています。

 3
  また、平成8年2月24日には、日米首脳会談において、橋本首相が住宅建設コ
 スト低減のための計画を策定することを表明し、3月26日、建設省、法務省、厚
 生省及び通商産業省が「住宅建設コスト低減のための緊急重点計画」を策定しまし
 たが、この中で建築基準の性能規定化が盛り込まれました。
  その後、3月29日、規制緩和推進計画が改定(閣議決定)され、この中で建築
 基準の性能規定化が盛り込まれました。

 4
  なお、現行の建築基準法の規定内容は仕様規定を主体としていますが、
 以下のように性能規定化されている部分もあります。
  ○建築基準法(第30条の2)
   長屋または共同住宅の各戸の界壁は、政令で定める技術的基準に従って、遮音
  上有効な構造としなければならない。
  ○建築基準法施行令 (第22条の2)
     (中略)
   2 界壁は、前項の規定によるほか、次の各号の一に定める構造としなければ
    ならない。
   一 間柱及び胴縁その他の下地(以下この条において「下地等」という。)を
    有しない界壁にあっては、次のイまたはロのいずれかに該当すること。
    イ 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄骨コンクリート
     造で厚さ10cm以上であること。
    ロ コンクリートブロック造、無筋コンクリート造、れんが造または石造で
     肉厚及び仕上げ材料の厚さの合計10cm以上であること。
   二 下地等を有する界壁にあっては、下地等を有する界壁にあっては、下地等
    を堅固な構造とし、かつ、下地等の両面を第108条第二号イからニまでの
    一に該当する仕上げとした厚さ13cm以上の大壁構造とすること。
   三 建設大臣が次の表の左欄に掲げる振動数の音に対する透過損失がそれぞれ
    同表の右欄に掲げる数値以上であると認めて指定する構造とすること。

振動数(単位 ヘルツ)
透過損失(単位 デシベル)
125
25
500
40
2000
50


▲Q&Aのメインページに戻る