平成28年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業
一般社団法人香川県木材協会
実施概要
平成28年補正地域材利用の木材利用関係者等への支援対策事業
事業の目的
消費者に木の良さをアピールし、木への関心を高め、木造住宅建築への意欲を喚起し、木材需要の拡大を図る。
事業内容
- ①四国霊場八十八ヶ所の札所に県産材ベンチの展示
- この事業を実施するために構成された川上から川下までの5団体で構成する検討委員会で協議をした結果、讃岐の国は、「涅槃」の道場であることから、涅槃をイメージしたベンチの原案作成を香川県建築士協会の若手の建築士にお願いをして「涅槃の座」を採用した。
素材は香川県森林組合連合会、加工は木材協会会員のかがわ木材加工センター、制作は香川県木材産業協同組合が担当した。
8月1日に74番札所甲山寺において、全木連四国支部主催のベンチ設置式を四県の会長等が出席して厳かに取り行われた。
(事業結果・効果及び今後の課題)
香り豊かなひのきで作られた讃岐をイメージした「涅槃の座」のベンチは温かみがあり、お遍路さんからは癒されるとのお褒めの言葉もいただいた。
また、76番札所金倉寺の御住職から「涅槃の座」のベンチ設置のお礼の電話もいただいた。お遍路さんにも大変好評であるとのことでした。
四国の森からの贈り物「涅槃の座」のベンチを通して、県内外から参拝に来られるお遍路さんが香川のひのきの良さ、素晴らしさを体感していただき、環境に優しい木材(ひのき)を生活に取り入れたい気分が醸し出されば大成功である。
20年のオリンピック・パラリンピックに向けて木材を使用する建物や競技場が建設されているが、木材使用に追い風が吹いている現在、不特定多数の人が出入りする建物、施設等に県産ひのきを使用して木材の良さを広く普及・啓蒙することが木材の需要拡大に結びつくと思われる。
木材を使用した建物・施設等は年月が経過するごとに、劣化が進み見苦しくなり木材の欠点が顕著になるのでそのために、「涅槃の座」ベンチの展示をお願いした札所には、くれぐれもメンテナンスが必要ですとのお願いをして展示した。
レポート:四国四県木連による八十八ヶ所霊場への木製ベンチ設置式
- ②県産ひのきが住宅になるまでの親子バスツアー
- かがわ県産ひのき親子バスツアー参加者募集広告を、四国新聞オアシス7月7日(金)号に 掲載した。 募集定員は30名であった。受付は9時からであったが10時過ぎには定員に達して、あとはお断りの電話で大変でした。
7月30日(日)天気に恵まれて、全員徒歩で7分ぐらいの50年生のひのき林を見学。参加者の面前で ひのきを伐採。土場で玉切り後参加者は、ひのきの枝や葉に触ったり、臭いを嗅いだりして木の良さを 満喫した。主婦層にはとくに新鮮なひのきの香りに酔いしれていた。
伐採されたひのきは直ちに製材工場に運ばれて、参加者の前で製材された「柱」を見ると、この柱を使った住宅に住みたいね、と言うひそひそ声が洩れてきた。
重ね梁を使用した建物を見学した後、かがわひのきショールーム内で親子椅子作りを体験した。
(事業結果・効果及び今後の課題)
暑い時期にもかかわらず、親子バスツアーを開催したところ、多くの参加希望者がありお断りをするのが大変でした。消費者は県産ひのきの住宅に関心を持っていることが伺えた。
参加者の一人は顔の見える材で、香り豊かなひのきの家に住むのが夢でしたが今回のツアーで夢が実現できそうです。との嬉しそうな声も聞かしていただいた。
このような声は特別かも知れないが、主催者側にとっては心強い励ましとなった。
参加者からは、住宅メーカー主催の山の見学会は時々見ることはあるが,実際に伐採したひのきを製材工場に運び製材されて「柱」になるまでの工程を見たのは始めてで、有意義な1日でした、とお褒めの言葉もいただいた。
今回の親子バスツアーに参加をしていただいた人達が、今日の見学会でかがわひのきの良さを認識していただき、木造住宅を建てていただけるような動機づけになれば幸いです。
今回の親子バスツアーは30~40代の家族を対象に開催したが、予想以上に大好評であった。
次年度も、この種の催しを継続したいが費用の面からも、かがわ県産ひのき取り扱店と連携して実施する必要がある。
今後も、かがわ県産ひのき取扱店のみならず関係団体が密に連携して、県産ひのきの需要拡大に向けて、木造住宅建設の機運を高める必要がある。
- ③2017ウッディフェスティバルの開催
- 10月7~8日の両日2017ウッディフェスティバルディが高松市林町サンメッセ香川で催された。
特別イベントは、ヒノキDEわーくわーく体験として、ひのき植林体験、ひのき模擬伐採体験、ひのき皮剥ぎ体験、かんな体験、ひのき丸太切り体験、ミニハウスの建築体験をしていただき認定証を授与した。また出店工務店のコーナー前に、親子で必ず工務店エリアを訪れていただくために県産ひのきの重さを当てるクイズを実施した。
ブース内では、ひのき丸太、柱等住宅に使用される部材を展示するとともに、建具組合・家具組合の展示や実演を行った。
県産ひのきで作られたミニさざなみルーム内では、今回ひのきで作られた建具も展示された。
事業結果・効果及び今後の課題
ウッディフェスティバルは今年で30回目を迎えた。木材業界関係者の最大のイベントである。
毎年「木」に関する色々なイベントを行った結果、本県の木材需要拡大に貢献したことは疑いのない事実である。四国内でも木造住宅の比率が高いことからも伺える。
昨年からこのイベントに工務店も参加をしていただき、山から住宅が出来るまでの関係業界が揃うことができて、消費者には木造住宅がより身近になった。
出店していただいた工務店の話によると、消費者にとりあえず自社の名前を知っていただき、「ウッディフェスティバルに出店していた業者さん」ですねと営業時に話が出来ることを期待しているとのことである。
ここ数年の間に住宅購買層の主婦から、木造住宅や木のことについての質問とか相談事が増えてきたことは、ウッディフェスティバルが広く県民の方々に木材に関心を抱いて利用しようとする気運が高まってきたことは明らかである。
県産ひのきの良さ・素晴らしさをもっと多くの県民の方々に知っていただくために、この種のイベントを継続して実施することにより、県産ひのきの需要拡大に繋げる事が必要である。