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添付資料 「デュアルフューエルエンジンの構造及び試験機」
最近、小型バイオガス・サーマルリサイクル(熱回収)システムの開発が進展してきていることから、その開発状況について、開発していると思われるメーカー数社から聞き取りしたところ、システム導入費用は1〜4億円(バイオマス利用量5t未満/日)、販売想定時期は平成16年夏以降というのが多かったところであります。
このような中で、日本工営(株)では、コストパフォーマンスの高いシステムを開発中との情報があったことから、同社から、システムの概略情報の提供を受けました。
〔担当:企画部指導課・細貝〕
〔システムの概略:日本工営(株)ほか資料提供〕
木質バイオマス小規模ガス化コージェネレーションシステムのご紹介
平成16年1月22日
日本工営株式会社
ヤンマー株式会社
1.システム概要
(1)ガス化システムの特徴(日本工営担当)
1)技術事項
[1] 助燃剤が不要な部分燃焼方式でガス化し可燃性の燃料ガスに変換するシステムで、国内メーカーではあまり例のない固定床下向き通風式のガス化炉を採用しており、木質バイオマスで避けられない課題であるタール分を炉内で分解(熱に変換)するため改質装置等の省略が可能となり、システムの小型化と大幅なコストダウンを図っています。
[2] 本システムは現在研究開発中であり、平成16年度に現場実証試験を行い、それ以後に実用化し販売する予定です。
[3] 下向き通風であり、最終段階で800℃の高温部をガスが通過し急冷されるため、ダイオキシン類の発生はほとんどありません。
2)一般事項
[1] 下記に示す大型システムでも廃掃法の廃棄物処理施設に該当しません。また、事業者が本システムを自ら導入して処理を行う場合は産廃処理に関する業の許可は必要ありません。発電を行うため、“煤煙発生施設”としての届け出は必要なく、“自家用発電設備”として所轄の経産局に届け出をすればよいことになります。
[2] 本システムは“新エネ対象設備”となりますので、関連する助成制度が活用できます。また、発生する電力は自社工場で消費する事を原則としますが余剰電力が発生した場合は“RPS”対象電力として買電する事も可能です。
(2)コージェネレーションシステムの特徴(ヤンマー担当)
1)ガス化システムから得られる燃料ガスは天然ガスの1/10程度の低カロリーであり、一般的に用いられる蒸気タービン方式では低効率なため経済性に劣り、ガスエンジン方式では多量のガスを必要とするため小型化が困難ですが、燃料ガスを70%、補助燃料(重油、軽油、バイオディーゼル燃料など)を30%の熱量割合で混焼するDF(デュアルフューエル)方式により、小型高効率かつ出力変動のない実用的なシステムを構築しました。本DFシステムは仮にガス化炉を停止させる場合でも補助燃料だけの運転が可能であり、工場への電力供給が継続できます。
添付資料 「デュアルフューエルエンジンの構造及び試験機」参照下さい。
[1]エンジン排熱を利用して、温水または蒸気を工場へ供給する事により総合効率を高める事ができます。(熱利用はケースバイケースで検討します)
表1 システムの概略予定仕様
機種 |
処理能力 |
火床面積 |
発電能力 |
ガス化効率 |
発電効率 |
熱回収効率 |
小型システム |
41.7 kg/h |
0.35 m2 |
70 kW |
約80 % |
約30 % |
12.5〜36 % |
中型システム |
100 kg/h |
0.75 m2 |
150 kW |
大型システム |
196 kg/h |
1.5 m2 |
300 kW |
2.システムフロー
図1 大型システムの参考フロー(処理量196kg/h、発電出力300kW)
3.配置図(参考配置図であり、ケースバイケースで検討)
図2 大型システムの参考配置図(ガス化装置×1台、DFエンジン発電装置150kW×2台)
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