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全国木材産業政治連盟時局大講演会
「日本経済の現状と展望」〔講演概要全文〕


   

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13.不良債権問題への対応

 基本的な考え方は、経済全体をしっかり改善させながら、ルールにのっとり不良債権の処理を行う。今の政策で一番問題なのは、経済全体を悪化させながらルールを不明確にして処理をするという形になっていることが問題である。大切なことは経済全体を改善させていかないとつぶれなくてもいい会社がつぶれていく。

 

14.企業戦略

企業戦略であるが、3つある一つは、リエンジニアリングであり、ITをうまく使い仕事のやり方を見直す。狙いはなにかというと人件費を落とすことである。日本の産業に一番競争力に影響している。仕事のやり方を見直してコストを落とす

 二つは、ものを作る会社の場合は、中国は日本の1/20で生産している。そうすると中国で作れるものは中国で作るようになる。中国で作るか、中国で作ったものを流通する仕事に変えるか。日本で作るとしたら日本でなければできない優れものに限定する。明確な戦略というものが大事になる。

 三つ目は、目の付け所として、よいものをよりやすく。よいものを安く作る業者がいればお客さんは全部そこに流れる。必ず、市場では一物一価である。その時問題は、自分の会社もその値段で売らざるを得ないので、自分の会社が利益が出るか。結局、「売値−費用=利益」であるので、コスト構成の競争である。

 もう一つは、心と体と自然と書いてあるが、100円ショップで20個買っても2千円である。ところが、4千円の袋を買って、4〜5万円のブランド品を買っている人は沢山いる。何を買っているかというと、心の満足を買っている。人々がお金を注ぐ対称が「心」とか「体」とか「自然」などに変わってきている。これをうまく捕らえると非常にうまみのある仕事が開けてくる。

 

15.2003年の展望 −歴史に学ばぬ者は歴史を繰り返すー

これからの見通しであるが、96年から98年の日本の株価の動きと、2001年〜2003年の株価の動きはそっくりで、共通点が沢山ある。構造改革パート1とパート2である。橋本政権は98年にかなり行き詰まったが、政策を変えずに株が下がり、退陣に追い込まれた。小泉政権も行き詰まって政策を変えずに進めば株が安くなり退陣に追い込まれると思われるので政策を変える必要がある。

今年は政策転換の年になると思う。小泉政権がやるのかどうかは分からない。その転換によって陰きわまれば陽に転ずる。大きな流れの転換が生じ、その点をしっかりやれば、来年は予想以上の浮上ということもありうる。

 そのためには、国民の側が今の政治を変える必要があるということを意思表示する必要がある。今の政策がよいというのが50%いたらプラスにならない。

 国民が賢明な判断をして、できるだけ早く政策を変えて日本が再生することを期待したい。

 

 

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